<一色カメレオン>


仲間と「色」と「カメレオン」をテーマに展覧会をする事になったとき
ふと思いついた作品です。



あるところに一匹のお母さんカメレオンがいました。
でも今はただのカメレオン。
だって子供は卵の中でしたから。
お母さんカメレオンは、ヒビの入った卵を見つめながらそわそわしていました。

丈夫な子供かしら?
ちゃんと七色になれるかしら?
お母さんカメレオンは心配で心配で仕方ありません。
とその時です。
ピキッ!
卵がひび割れる大きな音がしたかと思うと元気良く赤ちゃんカメレオンが卵のカラを
わって出てきました。

まぁ、とっても元気な子だわ!
お母さんカメレオンは大喜びしてホッとしました。

元気な元気な赤ちゃんカメレオンはすくすくと育ち
立派なお兄さんカメレオンになりました。
やがて狩りに出かける歳になりました。
そして今日が、その狩りの仲間入りをする最初の日でした。

おい!皆、草の色になれ!
兄貴分のカメレオンが言いました。
そう、少し先には、おいしそうな獲物がいたのです。
えっ?草の色になる?なんのこと?
それを聞いた立派になったカメレオンは驚きました。
何のことかさっぱりわからなかったのです。

早く!そこの新入り!草の色をしらねぇのか?!
兄貴分のカメレオンがもう一度命令しました。
はっはい!
立派になったカメレオンは、何とか自分の肌の色を草の色に変えようとしました。

う〜ん!う〜ん!
うなってみても、ふんばってみても立派になったカメレオンの色は草の色にはなりませんでした。

「しまった!見つかった!おい!新入りおまえがさっさと草の色に変わらないから獲物に逃げられちゃっただろ!」
兄貴分のカメレオンは大きな声で怒りました。

「す、すいません!でも、ぼく草の色になんてなれないんです?なぜ皆さんはなれるんですか?」
「なんだって?おまえ自分の色を変えられないのか?だいたい俺たちカメレオンは七色に変われる。
それがカメレオンってもんよ。なのにおまえは色が変われない。
てことはおまえには狩りが出来ない。つまり、じゃまだってことだな。
残念だが次からはこなくていいぜ。やるなら一人でやんな。」

「そんな。。。。」
立派になったカメレオンは追い出されてしまいました。
家への帰り道、立派になったカメレオンは泣きながら帰りました。
とってもとっても悲しかったのです。
なぜ僕は七色になれないんだろう?どうしたらなれるんだろう?
立派になったカメレオンは一生懸命考えました。

立派になったカメレオンは家に帰ると今日あった事を全部お母さんカメレオンに話しました。
お母さんカメレオンは驚いてしまいました。
まぁ、何てことでしょう。つらかったでしょう?とにかく今日はゆっくりお休み。
お母さんカメレオンは、立派になったカメレオンに優しく言いました。

立派になったカメレオンは寝床で思いました。
みんなから仲間はずれにされていたらここにはいられない。夜のうちにどこか遠くに旅にでよう。
立派になったカメレオンはお母さんカメレオンに置手紙をしました。

かあさんへ 僕は旅に出ます。色が変われない一色カメレオンは皆と一緒にはいられません。僕は遠くで自分の仲間を探します。
立派になったカメレオンは、寝床を抜け出すと置手紙をおいて外にでました。
立派になったカメレオンは外に出るとお月様の見える方に歩いていきました。
立派になったカメレオンは旅にでたカメレオンになりました。

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